TOP/
店主コラム
店長辻井のおぶつだん物語①
私たちお仏壇屋では、お仏壇の修理をお受けすることがよくあります。
修理と言っても「電気が点かないから直して」といった簡単なものから、
お仏壇をお預かりして、まるごとリフォームする「お洗濯」と言われる大掛かりなお仕事までさまざまです。
数年前のこと。
れんげ堂に、ある50代の姉妹お二人がご来店になり
「母の一周忌が近いのでお仏壇を修復してほしい」とご相談がありました。
お客様のお家へ伺ってお仏壇を拝見すると、扉や引き出しのあちこちに焼け焦げた跡があります。
私は「もちろん、この焼けた後もキレイに修復できますのでご安心くださいね。」と申し上げました。
するとお二人は「いえ、この焦げた跡は残してほしいんです。
・・これは母がお線香やローソクを落として焦がしたものなのですが、
お仏壇はきれいになっても、この跡は母の思い出なのでそのままにしたくて・・」と仰いました。
・・さあ、これは困りました。
お仏壇の修理というのは、すべてを綺麗にする方が実は簡単(とはいっても大変な熟練した技術がいるのですが)なのです。
ただ、お二人の亡きお母さまへの想いはぜひ残して差し上げたい・・。
私はお仏壇職人さんと何度も相談して、焦げ跡を残して修理する方法を探りました。
そして職人さん達の大変な試行錯誤の結果、お仏壇は美しく修復し、焦げ跡だけは以前のまま残して完成したのです。
そのお仏壇を納入したところ、お客様ご姉妹はとても喜んで下さり、こう仰って頂けました。
「綺麗になったけど、お母ちゃんが手を合わしていた記憶が残ってて本当に嬉しい!」と。
そんな時、ああ、このお仕事をさせて頂けてよかったなあ・・と、しみじみ嬉しくなる店長辻井なのです(^^)